夏の風物詩といっても過言でもない某チャリティー番組。
小さい頃の私は、この番組を見ると
「あ〜もう夏休みが終わってしまう…」
と切ない気持ちになっていました。
そんな某チャリティー番組といえば、募金ってイメージ強くありませんか?
私自身、好きなアイドルがパーソナリティを務めている年は、お小遣いをかき集めて募金しに行ってました。
番組終了後には必ず、
今年の募金は〇〇円集まりました!
といった報告ありますよね。
これってどこで誰が数えて、その金額になっているのか分かりますか?
この記事では、某チャリティー番組の募金は誰がどこで数えているのか、銀行で働いていたことのある私だからこそ教えることのできる、秘密を徹底調査しようと思います。
某チャリティ番組の募金の集計は、系列局がある地域の銀行で数えられています。
私は地方の銀行で働いていましたが、私の働いていた銀行でも、この集計作業がありました。
私が働いていた銀行では、その地域で集められた募金が全て1店舗に集められてきて、その日のうちに集計しなければいけませんでした。
なので、集計日は毎年夜遅くまで残業をしていました。
では、具体的に、どのようしにて集計しているのか、みていきたいと思います。
まず、系列局から本部を経由し、銀行に現金が届きます。
募金のお金は「麻袋」というものに、現金のみ入った状態で届きます。
この写真が麻袋です。
銀行の本部から各支店へ硬貨を輸送するときは、この麻袋に入れて運ばれてきます。
某チャリティ番組で募金する様子が中継されますね。
そこで見られるかわいい貯金箱やペットボトルのお金」がそのまま届くのではありません!
銀行には、現金のみ麻袋に入れられて届けられます。
だた、この麻袋で届けられた現金は、金種ごとに分けられているのではなく、
お札も硬貨も、ごちゃ混ぜの状態で何袋も送られてきます。
何袋も銀行へ届けられた某チャリティー番組の募金。
次は、どのような作業が待っているのか、見ていきましょう!
次に、麻袋の現金を大きなボールに移します。
このとき使うボールは銀行専用に特別な物があるのではなく、一般的に料理で使用されているようなプラスチックのボールとなります。
なぜ、この作業をするのかというと、某チャリティー募金のお金の中には機械では数えることのできないお金や小さなゴミなどが含まれている可能性が非常に高いからです。
ちなみに、このお金を数える機械のことを銀行では出納機(すいとうき)と呼びます!
この出納機はデリケートな機械で小さなゴミ屑にもすぐ反応し、エラーをおこしてしまいます。
予防線として出納機でエラーが起こりそうなお金やゴミを一度、銀行員が目視して取り除きます。
この作業が、募金の集計作業をスムーズに進めるためのポイントとなってくるんです!
一度、麻袋からボールにお金を移し出納機で数えることのできないお金や小さなゴミを見つけ他のボールに分け入れます。
銀行では、この出納機で数えることのできないお金のことを
硬貨=損貨(そんか)
紙幣=損券(そんけん)
と呼んでいます。
もし、誤って小さなゴミや損貨・損券を機械に読み込まると、出納機はすぐ壊れます。
出納機が壊れると、修理するのも銀行員。
銀行員で直せると、それはそれでOK!
しかし、直せない場合は専属の業者さんにきて頂く必要があり、タイムロスになってしまいます。
それを避ける為、必要不可欠な作業となってます。
以下のような、お金は機械では数えることは出来ませんので、某チャリティー募金をされる場合は注意してください!
・一部が破れたお札
・しわくちゃのお札
・湿ったお札
・さびた硬貨
・変形している硬貨
・昔のお金
・外国のお金
某チャリティー募金の中身は、損貨・損券がたくさんあることが分かりました。
では、そのお金はどのように数えていくのでしょうか?
出納機で数えられるお金はそのまま、機械を通して集計します。
たくさんの量のお札や硬貨を出納機に一気に読み込ませると、故障してしまう場合もあるので適量を見極めながらの作業を進めていきます。
ベテラン行員になると、出納機の性質も知り尽くしているので、このぐらいだったらイケる!
といった適量がわかってくるので、効率的に作業を進めることができます。
効率的に出納機でお金を数えた後は、損貨・損券を数える作業に進みます。
どういった作業になるのか、見ていきましょう!
損貨・損券は、まず金種ごとに分けます。
次に、硬貨もお札も10枚ずつに重ね、それを10列ごとに並べていきます。
この10枚ずつ10列に並べる作業ですが、某チャリティー募金のレベルになると机で収まるような量ではないんです。
私が働いている銀行では、床にレジャーシートを敷いて、その上にお金を並べて作業をしていました。
これは数えやすい・計算しやすい、という理由で10枚10列に並べています。
それぞれの金種を10枚10列に並べる終わると、それぞれの金種が何枚あるのか、数えていきます。
この後、数えた枚数を元に電卓で計算し、損貨・損券がいくらあるのか、金額を算出します。
直属の上司は、それがあっているのかWチェックしていきます。
銀行では、どの作業でもWチェックは基本!
チェックしたよ、って証に自分の印鑑を押す風習がありますよ。
上司とのWチェックが終え、損貨・損券の金額を算出できました。
作業は大詰め!
次の作業をみていきます!
続いて、③出納機で数えた金額と④損貨・損券の金額を足していきます!
特別な機械を使って、特殊な計算方法があるわけでもなく、シンプルに電卓を使って
③出納機で数えた金額 + ④損貨・損券の金額
の計算をします。
もちろんWチェックとして上司も同じ足し算をします。
銀行員にとって、電卓は必須アイテム。
私が働いていた銀行では、無印の電卓が人気があって私も愛用していました。
やっと、ここで某チャリティー募金で集められた金額が分かりました!
ここまでの所要時間は約3時間半。
最後の作業に移ります!
某チャリティー募金で集められた金額が算出されたら、次は入金作業に入ります。
私が働いていいた銀行では、上司が振込伝票を記入し、系列局が指定する口座へ振込をしていました。
この作業で、某チャリティー募金の集計作業は終了!
全ての所要時間は約4時間ほど。
この作業は、営業時間中(9:00~15:00)ですることは難しいので、
営業時間後(15:00以降)にしていました。
通常の業務を終わらせてからの作業だったので、夜遅くまで毎年残業していました。
私自身、この集計作業を経験した中で早くても20時半過ぎ、
遅い時は23時過ぎまで、この作業をしていました。
私の働いていた銀行では17時40分が定時だったので、この月の残業代は多かったです。
つまり、
今年の募金は〇〇円集まりました!
という某チャリティー募金の報告は、系列局がある各銀行が、それぞれの地域の募金を集計し、入金作業をした金額の総合計を言っている。
ということになります。
私は、この報告を聞くたび、きっと他の地域の銀行員も同じよな体験をされたんだ…となんとも言えない気持ちになっていました。
差し出がましいですが…ここからは実際に某チャリティー募金の集計作業をしたことのある私からのお願いです!
某チャリティー募金をする時の5つのお願い!
・お札を募金する際、少し破れたとしていてもセロテープなどで補修しないでください。
・いくらなのか自分でも判別できないぐらいに汚れた硬貨を募金することはやめてください。
・お札に自分の名前などを書くはやめましょう!
・ゲームセンターのコインやスロットのコインを募金箱に入れないでください!
・外国のコインは両替手数料が発生する可能性があるので、できるだけ日本のお金で募金をお願 いします。
以上のことに気をつけて募金をしていただけると、スムーズに集計作業を進めることができます。
是非、ご協力いただけると助かります!
某チャリティー番組の募金の集計作業についてまとまていこうと思います!
・某チャリティー番組で集められた募金は、系列局がある地域の1つの銀行に集められて集計する。
・破けたお札(損券)やさびた硬貨(損貨)は、出納機では数えられないので、手作業で各金種に分別し、集計する。
・出納機で数えた金額と手作業で数えた金額(損貨・損券)を合わせた金額を系列局が指定した口座に入金する。
・某チャリティー番組が報告する募金の金額は、系列局がある地域の銀行が集計し、指定口座に入金した額の総計を報告している。
・元銀行員として募金をするときは、お金の状態(破れやサビ)に気をつけて募金して欲しいと願っている。
なんでも機械化が進む現代。
しかし、この某チャリティー番組の募金の集計作業では、手作業は必然でした。
そして、私が働く銀行では、某チャリティー番組の募金の集計作業は毎年のことだったので、ある意味、これが夏の風物詩でした。
余談ですが…
神社のお賽銭箱のお金も、こんな感じで出納機と手作業で集計しているんですよ〜
元銀行員だからこそ話せるネタ、まだまだご準備しております!
ぜひ、読んでみてくださいね。